第1回:戸籍のない子供たち。

前回更新から2ヶ月も空いてしまいました。最近は、mixiの方をもっぱら利用していて、かなりこちらはおろそかになってしまいました。

2007年に入ったにあたって、当ブログの方針を決めました。

まぁ、見てくださってる人がいるのかも怪しいんですが、とりあえず、世の中の事件・話題に関して自己満足的な評論を書くと、こういった趣旨にしていきたいと思います。

今回は、「戸籍のない子供たち」についてです。

皆さんは、この「戸籍のない子供たち」とはどういう意味であるか、ご存知でしょうか?文字通り、「戸籍を有しない子供」と言うわけですが、なぜ戸籍がないのでしょうか?

普通、子供が生まれれば、管轄の役所に出生届を出します。通常は、この出生届は受理されます。

ところが、最近「法律上、父とみなされる人」と出生届の父の欄に書いてある人物が異なり、出生届が受理されない、なんてことが起こっているのです。

なぜ、そんなことが起きるのでしょうか?

それは、民法の親族編772条の規定に問題があるとされているからです。

民法772条(嫡出の推定)

①妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
②婚姻の成立から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。


この、第2項の後段、「婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と言う規定に問題ありと言われているのです。

なぜ問題があるのか?例を挙げましょう。

妻Aが夫BのDV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者間における家庭内暴力)に耐えかねて、婚姻関係を破綻させるためにBと別居を続け、離婚に持ち込んだとします。このとき、Aは別居中に別の男性Cと同棲し、懐妊しました。離婚成立後、AはCと結婚し、離婚成立日から数えて180日目に、Dという子供が生まれました。

この事例を、条文にあてはめると、Dの実父はBと言うことになります。離婚の成立は、婚姻の解消にあたります。Dは、その成立から300日以内に生まれた子供ですから、この条文によって、Bが父と推定されるのです。ですから、法律上の父はBとなるのです。

Aが、「DはCとの同棲中に懐胎した子であり、確かにCが父親である」といくら主張しても、法律上は認められないのです。つまり、Bを実父として認めない限り、Dには戸籍が与えられないのです。

戸籍がないということは、社会で生活するにあたって、非常に不便なことです。学校に行くことが出来ませんし、旅券(パスポート)も取得できません。運転免許証の取得も出来なければ、年金を受け取ることもできません。

もちろん、Dに戸籍を与えることはできます。裁判で、前夫のBが「Dは自分の子供ではない」と証言すれば、Cが実父と推定され、戸籍も与えられます。

しかし、今回あげた事例のように、離婚の原因がDVであるなどで、前夫にかかわりたくないとか、住所が分かってしまうのが困るとか、このような理由で裁判に踏み切れない例が多いのです。

生まれてきた子供(D)は気の毒です。親のゴタゴタによって、罪のないその身に戸籍があたえられないなど非常な不利益を被るからです。

このことについて、戸籍のない子供を持つ親たちは口をそろえて、「法律が古い」とか、「罪のない子供が不利益を被るのはおかしい」とか言います。

しかし、それは責任の転嫁ではないでしょうか?

民法の規定が完全であるとは言いがたいですが、少なくとも大きな不備はないと思います。離婚成立から300日以内と言う制限も、婚姻関にある間に夫婦間で子作りが行われるのが当たり前、とする前提があるからであり、もしこの制限を撤廃すると子供の実父が誰なのかが非常にあいまいになる可能性があります。これを避けるべくして、民法は制限をおいたのですから、この規定はおかしいとは思いません。子供が生まれるまでの期間・十月十日よりも短いですしね。

そもそも、このような不幸な子供が生まれてくるのは、離婚をする親に責任があります。勿論、DVによる憂慮すべき離婚事由があることは認めます。夫からDVを受けるのが妻の責任だ、とは言いません。

ただ、法律を知らないことに責任を負うべきなのです。

法治国家において、「法律を知らなかったから」と言う理由は通用しません。特別に規定がおかれていない限り、法律を知っているものとして、裁判所は判断を下します。

このような事例だって、きちんと法律をしっていれば未然に防ぐことができるのです。

離婚が成立して、新しく婚姻をするまで、生殖を伴うような性交渉は慎めば良いのです。DVの相談を弁護士にすれば、このような助言をしてもらうことも可能です。そうやって、子供を作る前に努力をすれば、不幸な子供は誕生しないのです。

もし、妊娠してしまってからその事実を知ってしまった場合はどうするか、これが問題です。

もちろん、堕胎をしてしまうのが一番簡単な方法ですが、これはあまりに倫理観に欠けますし、戸籍がない子供よりも、不幸な子供になってしまいます。

ですから、妻が勇気を出して、裁判に踏み切ればよいのです。法律は弱者の味方になってくれます。たとえば、接近禁止の申し立てをして、前夫を近づけないようにしてしまえば、安心しきることは出来ませんが、少なくとも法律上は安全になります。もしその裁判所の命令に従わないようであれば、警察に訴えることも出来ますしね。

役所の人間に親が、「自分の子供がこういう立場だったら、と考えてみてください」とか言っているシーンがテレビ等でありましたが、お門違いもいいところです。役所の人間は一般市民以上に法律に拘束されるのですから、法律でそうと決まっている以上は、役所の人間にはどうしようもないのですから。単なる八つ当たりにしか見えません。

暴論になりますが、法務省に柔軟な適用を請求するよりも、子供のために命を張って裁判に望めばよいのです。「親の責任であって、子供に罪がないのに…」と言うならば、なぜその責任を取るために命を張って裁判をしないのか?裁判をすれば、確実に子供は戸籍を取得できるのだから、子供のために裁判を起こすことが、「親の責任」でしょう!やることをやらずに、法律の不備だ、とのたまうのは、責任転嫁としか言いようがないように思えます。

何か、猛烈な批判になってしまいましたが、中傷したいのではありません。私の説は単なる理想論であることも承知の上です。しかし、誰か一人がパイオニアとして踏み出せば事態は改善できるのではないのでしょうか?

今の法務大臣は「庶民の気持ちは分からん。私は庶民じゃないから」と平気で記者会見で述べるような非常識な人ですから、どんなに説得しようとひっくり返ることはないと思います。

私が言いたいのは、裁判を起こせ!これに尽きます。子供のためなら、頑張ってみるべきだとは思いませんか?
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  by crazytigersfan | 2007-01-25 23:51

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